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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第10章 関西奇術連合

 その後、若手マジシャンのトーナメント戦が東京であり、テレビでも放送された。


 さっきも書いた通り、予選の模様が流れてわずかながら、僕も映りました。


 だが、予選を通り、ステージに立つはずのラリ夫が、棄権。


 なぜなら、2日前に酔っ払い運転で壁に激突し、警察のやっかいになったとか。


 実はここまで飲んでたのは理由があった。


 この大会には優勝候補と言われるものすごいやつが出てて、その一人が、あのセロだった。


 そして、野島……下の名前忘れたけど、すごいのがいたんだよ。


 特にセロってのは、当時、海外から来て、日本でも活躍してる若手ではトップにいたマジシャンで、ラリ夫は演技ビデオを見て、自信なくしてたんだ。で、景気付けに酒を飲んだら事故ってやがんの。


 いや、ラリ夫、あんたも凄いのやってんだぞ。


 だが、セロは鮮やかさがあった。不思議さ、派手さ、鮮やかさ、すべてがパーフェクト。


 あの当時見た人で、超一流になって活躍してるのって、セロだけじゃないかな。


 僕はその同じステージにいたんですよ。


 はい、会場係、裏方でいてました。


 手伝いに行かされました。


 しかも、ギャラはお弁当ですよ。まあまあ立派な、幕の内。


 わざわざ東京まで行って。



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