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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第10章 関西奇術連合

 ジト〜っと嫌な汗が滲んでくるのがわかった。


 だが、客席は、これがネタだと思って爆笑。


 実は、僕はピンチな時ほどポーカーフェイスを貫く特技ではなく、癖がある。


 ヤバいと思っても顔に出ない。


 出ないんじゃない。表情が薄いのだ。


 笑うか怒るか以外は、みな同じ表情。


 まさか、ウケると思ってなくて、こっちは鳩が死んじゃって焦ってんのに、笑われているって感覚になったんだ。


 途中から、もうヤケクソですよ。


 コミカルな動きを始めたり、オーバーリアクションしたり。


 マジックは成功してたんだけど、バカバカウケて。


 こっちは早く帰りたくて仕方なかった。


 演技中に鳩が死ぬってあり得ない。


 本当は書きたくないエピソードだったんだけど、書いたら面白いな。鳩が死んだことを面白いっていうのもなんだけどさ。


 あの、たぶん、衣装を作って3年くらいたってさ、袖の内側にフラワーを出すためのポケットを作った。


 そこに鳩を入れるために、ポケットを広くした。


 しかし、当時、僕は趣味で山登りをしてたんですよ。ボルダリングってクライミングもしてましてね。


 腕が太くなったんですよ。



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