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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第10章 関西奇術連合

 さらに、アロハシャツを脱いでタンクトップになった状況で、鳩も出すという、とんでもない勇気。


 よくよく考えてみれば、出来るネタなんだけど、物を隠す場所が無い状態で次々に物を出す。


 あれは、思いきった発想をしたな。


 演技が終わってから、スンゲェ拍手もらってた。


 さて、僕の番だ。あれの後でやるのか!?


 ちょっと順番的に厳しすぎないか?


 自分のオリジナルはそんな持ってない方だからさ、できる物の力に限度があるっちゅうねん。


 ガチガチに緊張したけど、6本リングのマジックから、シルクを使ったマジック、そして鳩を出そうとした時に悲劇が起こった。


 胸に入れた鳩はスッと出たのだが、左腕の袖裏に隠した鳩が出てこない。


 出ない鳩を出す方法はある。ちょっともたついて出てきたんだが、まったく羽ばたくことなくステージの上に落ちていった。


『ビタンッ!!』て音がして、鳩が横たわってる。





 ……死んじゃった?


 右側のやつは、普通にバタバタしてる。


 僕は3秒ほど、落ちた鳩を見つめてたよ。


 演技中の魔力ってのは、イザとなって本領発揮する。


 僕は鳩を拾い上げると、指で頭を動かして、生きてるよアピール。




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