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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第10章 関西奇術連合

 ラリ夫とは、時々顔を合わす程度。


 組まないかって話もいつの間にか無くなってたからなあ。


 あと20分で出番だって時に、バスに乗って来やがった。


 バスだから、道がこんでたかもしれないけど、ギリギリすぎだろ。


「玄武、久しぶりだな」


「いや、久しぶりとかじゃなく、早く行かないと棄権になるぞ」


「慌てるな。だから、衣装着たままここまできたんだ」


 確か、この時期って6月だったはず。


 半袖と半パンで、どこのリゾートに行くんだって、かっこしてたんよ。


 そう言ってる僕の衣装も「Made In UNIQLO」でしたが。


 でもね、ラリ夫のマジックが反響を呼んだんだ。


 アロハシャツに、中が白のタンクトップ、下がジーンズの短パンに、ビーチサンダル。


 こんなの誰が見てもマジック舐めてるじゃない。


 BGMがサザンの「勝手にシンドバッド」だしさ。


 とにかく、ラリ夫の後が僕なんだから。


 なんでもいいから、やってくれって感じになってさ。


 楽屋にあるモニターで見るんだけど、どこにも隠すスペースが無いスタイルで、傘やら、カードやら、シルクやらとバンバン出す、プロダクションマジックやるんだよ。



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