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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第7章 中学卒業、そして高校に

 で、僕が入賞してから翌日。


 賞金はおかんに没収されるし、「しょうもない賞を取ってくるな」とか言われてね。どんだけ、マジックが嫌いなんだよ。


 で、僕は盾を持って、百貨店のマジックショップの店員さんに、報告と、リングを返却しに行ったんだ。


 借りてるやつだったからね。


 そしたら、ぜんぜん知らないブルドックみたいな、おっさんがいた。


「すいません、今日はあの店員さんは、休みですか?」て、聞いたんだ。


 すると、おじさんが「……ちょっと待ってね」と言って、後ろにあったクリアファイルみたいなのを取った。


「ひょっとしたら玄武さんか?」


「はい……」


 なんで、知ってる?


「前の○○さんね、ここ辞めて東京帰ったよ」


「ええっ!!」


 急に辞めた!?


 せっかく報告しようと、盾を持ってきたのに。


「あの、僕はその人に、このリングを返さなきゃいけないんですよ」


「あ、賞に入ったんだよね。それ、お祝いにあげるって」


 どうやら、会場まで見に来てくれていたようです。


 そして、ブルドックおじさんから封筒をいただきました。


「来たら、渡してって言われた」


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