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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第7章 中学卒業、そして高校に

 ラリ夫が優勝した年ってのは、その人物が不参加の時なんだと。


 つまり、ラリ夫は、その人物を倒して優勝したことがなかった。


 まあ、それを聞かされたとして、こっちはどう返せばいいのかわかんないんだけど、無難な相づちでその場を過ごしてた。


 ラリ夫は言った。


「今年あいつが出なかったら、来年わからへんな。受験やったら参加しよらんし」


 つまり、今年がラストチャンスだった。


 そんなに凄い?


「凄いで。スライハンドマジックさせたら、高校生でうまいやつ見たことないもん」


 スライハンドとは、よく、手から次々にカードを出したり、4つの玉を減らしたり増やしたりする指先の技が決め手となるマジックのこと。


 昨年、高校生でその人物が優勝した時は、シンブルという指キャップを使ったネタで優勝したそうだ。


「俺はスライハンド嫌いやから」


 いや、そんな問題!?


 スライハンドで勝負しろよっ!!


 まあ、手品って一言で言ってもジャンルは様々だから、そのキングも引き付けるほどの指先の演技を見せたんでしょうな。



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