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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第7章 中学卒業、そして高校に

「えっ!? でも、あの勝負の時に、あのネタ出されたら、僕、絶対勝たれへん」


「どうやろうなぁ……里美(山本さん)はいつも見てるから、お前に入れるんちゃうかな? 少なくとも、中嶋さんは、お前に入れるやろ」


「えっ!?」


「いや、とりあえず、なんか飲みにいこうや。缶コーヒーやけど、おごるわ」


 ポンと肩を叩かれて席を立つ。


 山本さんと中嶋さんは、マジック道具の販売の実演を見て楽しんでいた。


 ラリ夫は声をかけるのかなと思いきや、まさかの素通り。


 中嶋さんが、僕に声をかけてくれた。


「あ、どこいくの?」


「缶コーヒー買いに行くんやて」


 そしたら、二人ともついてきた。


 なんか、ラリ夫の言ったことが気になって、中嶋さんとは、なかなか目を合わせられなかった。


「ねぇ、玄武くんのシャツのやつ、どうやったん?」


 中嶋さんにそう聞かれたが、種を明かすわけにもいかず……


「早く着る練習をした」と言った。


 するとラリ夫が「よくよく考えたら、わかる。でも、突然やられたら、凄い不思議」と言ってくれた。


 これは、なんか嬉しかったな。


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