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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡

第11章 ちーちゃんの夏休み♡partⅢ♡







だから、


「…なんてさ♪そんなことしたら、一之瀬さんっていう死神よりも怖い人にオレの魂が攫われちゃうけど」


実際にその言葉が音として聞こえなくても、葵くんの伝えたかった言葉はちゃんとアタシにも届いてて…

今回の急な休暇も無理矢理ふんだくってきたことだとかこれっぽっちも葵くんはなにも言わないけれど、


"そのときはちゃんと時間つくってあげる"


せっかく葵くんが先にあんな風に言ってくれてたのに…


なのに、それに上書きするようにできた目の前のことにいっぱいいっぱいになって、

それをまっとうすることしか頭になかったアタシは、結局自分のことしか考えてなくて


「…って、急にだんまりしちゃってどうしたの?やっぱりさっきの本気で怒っちゃった?それとも本当に具合い悪くなっちゃった?」


なのにそんな…

本当に怒っていいのは葵くんの方なのに…

そんなことを穏やかな表情で難なくサラッと言ってしまう彼に…


アタシ、なんてバカなんだろう。


「っッ…」


キャパシティのえらく狭くなった胸にこれでもかとごちゃごちゃに溢れる感情で、破裂しそうなそこがあっという間に痛くなる。





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