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ぜんぶ二人ではじめて

第39章 解禁日

「俺としても悔しいけどな。ナナちゃんのめちゃくちゃ可愛いキス顔見られたのは。」

「……でもヤスくん、嬉しそうだよ?」

「そうか?」

「うん。なんで?」

「いやぁ……リアルでナナちゃんのこと一人占めできんの、俺だけなんだなーって……実感したんだよ。」

俺の優越感は半端じゃない!

「そうだね。私も、ヤスくんのこと一人占めできるの、スゴく嬉しい!」

「いやいや、ナナちゃんモテるからさ。毎日、誰かに狙われてるんじゃないかって心配なんだよ。俺は、誰かに狙われたりしないから、その点は安心して。」

「いつも守ってくれて、ありがとう。」

そう言って、ナナちゃんがキスをくれた。

チュッ……

可愛くて優しいキスを、三回。

ナナちゃんから……って、すごく嬉しい。

ネチョ……

「!!!」

ナナちゃんから舌を入れてきた!

ドキンドキン……

ドキンドキンドキンドキン……

そっと離れた。

見つめ合う。

「……ナナちゃん……」

「恥ずかしいっ!いつも、ヤスくんからしてくれるから、たまには自分から……って思ったんだけど……ダメ。もう……恥ずかしくて……。ゴメンね。」

目を反らして、俯く素振りを、片手で頬を包んで阻止する。

見せない気かよ。そんな可愛い、顔を。

「(クスッ)可愛い。……ムリしなくて良いよ。俺からたっぷりするから。足りなかったらいつでも言って。」

「うん。……ヤスくん、お誕生日だから、いろいろしたいなって……思って……。」

「可愛いナナちゃんが見れれば俺は満足だよ。」

「……ありがとう。いつも、可愛いって言ってくれて……。嬉しいよ。プレゼント、渡しても良い?」

「うん。」

「あ。でも、裸だしな。」

「良いじゃん。」

「う、うん。」

そう言って、ナナちゃんはバスタオルを巻いて、プレゼントを取りに行った。

「ヤスくん……お誕生日、おめでとう。」

プレゼント、何だろう?

包装をとると、お守りだ。スポーツのお守りみたいで、小さな野球のボールとバットがくっついてて、ボールが鈴になってた。

「ありがとう。ナナちゃん。」

「これなら野球で離れてる時も傍に置いてもらえるかな。」

なんてめちゃくちゃ可愛い顔で言うから、抱き締めた。

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