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[現代版] 天使と悪魔

第6章 さすらう記憶

・河合side

河「それが俺にもよく分からねんだわ」

五「はっ?なんだよそれ」

塚「分からないって」

戸「よせ、よっ、もう見たくはない、うわぁーっ」

橋「トッツーねぇトッツーってば」



もし、このとき。



五「だったらいつからこんなふうになってしまったのか、それだけでもいい話せ」

河「分かった…実は」



俺が前世の記憶を取り戻していたら。



塚「夢?俺と宮田が死んだ」

五「‥‥っ」



もっと早くに何がトッツーを苦しめていたのかが分かったのかもしれない。

あのとき前世の俺達の中で

トッツーが妖魔の声を聞き幻影を見せられていた事を

知っていたのは、自分だけだったから。

けれど―



五「‥‥‥」

河「五関、なぁどうしたらいい?教えてくれ」

塚「宮田と俺が死んだ夢、それって」

五「郁人、トッツーは他に何か言ってたか」

河「なにかって?」



俺も、そしてトッツーも。



五「前世がどうとか」

河「それなら少しだけ」



思い出していなかったし。



塚「なんて?」

河「くっ」

五「話せ、大事なことかもしれないんだぞ」

河「その声が言ったんだってさ」

五「なにを?」

河「塚ちゃんを殺したのはお前だと」

塚「‥‥っ」

橋「そんなこと、あるわけないじゃん!」



渉に相談してみよう、俺はそう言う。

だが五関は…



五「あいつには俺が話す」

河「えっ、なんで?」

五「今は理由は言えない、でも俺を信じ任せてくれ」

河「同席してもいいっていうのなら」

五「当たり前だろ」

河「‥‥っ」

五「お前らは、前世で恋人同士だったんだから」

河「なっ!?」

塚「うん ニコッ」



そして渡された黒い羽根。



河「これは?」

五「全部は、思い出せないみたいだけどな」

塚「ある程度までは、思い出せるよ」

橋「塚ちゃん」

塚「ごめんハッシー黙ってて」

橋「‥‥っ」



その夜、俺は夢を見る。



戸「河合、愛してる大好きだよ んふふっ」



満面の笑顔を向け、微笑むトッツーの背中には。

輝くばかりの、白い羽根があったんだ。



河「トッツー、俺の天使」



護りきってみせる今度こそ

こうして俺達の戦いは幕を開ける自分らの未来を築いてく為に―





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