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[現代版] 天使と悪魔

第6章 さすらう記憶

・藤ヶ谷side

とつぜん長と呼ばれるようになった日から。

収録や撮影などで仕事場へ行くと。

スタッフや中には警備員にまで言われるようになり。

はぁ、なんでなんだろう?マジで…

そう思いつつ今日は少クラクリスマスSPの収録で。

俺は渋谷のNHKへと来ていた。



藤「はぁーあ」



その入り口へと着いたとたん口から、自然と溜め息が出てしまう。

すると。



北「なんだなんだぁ溜め息なんかついちまってよ」

藤「きっ、北山」

北「なにそんな驚いた顔をしているんで?」

藤「いや後ろにいるの気づかなかったからさ」

北「気配を消す術を覚えたんだわ、ニッ」

藤「‥‥‥」

北「ちょ、なんか反応しろって」

藤「おまえ珍しく来るのが早いじゃん」

北「それだけ?チッ、外しちまったぜ、この冗談は通じないみたいだな ガハハッ」



脳天気な奴、クスッ!



北「なんか、悩みごとでもあるのか?ボーッとしてたみたいだけどさ」

藤「…別に」

北「んだか、でもあるんなら遠慮せず言って来いよ」



言えるか、こんなわけ分からないことを。



北「おはようごさいます、今日も宜しくお願いしまーす」



先に中へと入って行く北山の背中を見つめつつ心の中で呟く。

それにしてもあいつはいつも元気だな、クスッ!

だがそんな相棒に救われている自分がいるのも事実で

そのまま、変わらずにいてくれよ。

ふと、そう思いながら意を決して入り口へと向かった

覚悟して行くしかないか、どうせまた言われるんだろうしさ。



藤「おはようございます」



しかしスノーマンはいないはず…

って、えぇーっ!?



阿部「長、おはようございます」

渡辺「おはようございまーす長」

藤「おっ、お前ら何でいるわけ?」

深澤「遊びに来ちゃいましたぁ、アハッ」

藤「はあっ?」

岩本「ちょうどスケジュールが空いてたんで」

宮館「長に会いに行こうって話しになりましてね」

佐久間「渋谷をうろついてたんですよ、そしたら話しの流れで」

藤「みんなでか?」

スノ一同「はい」



あり得ない…



阿部「どうかしました?」

藤「お前らさぁ」



と、そのとき。





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