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[現代版] 天使と悪魔

第6章 さすらう記憶

・五関side

あの羽根を持ち帰った日の夜。

夢が教えてくれた俺たちの前世は。

苦しいことや悲しいことが沢山あったけど。

確かだったのは皆、心から愛し合っていたってことだ



横「五関、待った」

五「いや俺も、さっき来たところだから」



塚ちゃんは、ハッシーにはこのまま言うつもりはないと言っていた。

大切に思うからこそ―



塚「横尾、Thank you 来てくれて嬉しいよ」

横「ここが終わったら仙台つぎが新潟、愛知・大阪だっけ?頑張るなぁ」

塚「舞台は楽しい、やっていると気分も晴れるし」

横「んっ?塚ちゃんにも、あるの」

塚「えっ、何が」

横「いや落ちること」

塚「あははっ、なわけないじゃん俺ポジティブだよ」



横尾たちが、泊まり込みの雑誌撮影に出発する前。

2人で、一緒に見に行った塚ちゃんの舞台。

実はさ俺ら以外でもし前世の記憶が甦っているやつがいるとしたら。

それは横尾なんじゃないかって塚ちゃんと話していたからなんだけど。



横「お前らなんかあった」

五「どうして」

横「みんな元気にしてる」

五「あぁ、変わりない」

横「来月だよな、少クラのクリスマスSPの収録」

五「うん」

横「その時に会えるか」

五「横尾?」



案の定、探るような質問を浴びせて来て。

ってことは―

あれから月が変わって今は11月。

もうすぐ少クラのクリスマスSPの収録日を迎える。

そこで久々に顔を合わせた俺達に待っているものとは一体なんなんだろう。

俺達は、全部を思い出したわけではない。

それは、後から記憶を取り戻した郁人たちも同じ。

ただ、横尾だけは最初から最期まで知っていたんだよな。

その後から宮田も…

どうして、この2人以外は途中までだったのか。

その意味を知ったとき全てを思い出す為の行動を起こす決心を固める。

苦しみも悲しみも辛いことさえ、分かち合ってこその仲間。

そうだろ郁人?トッツー。

自分たちだけで抱え込むなよ俺らも一緒に背負うからさ。

どんな結果になろうとも、後悔はしない。

あのときだってそうだったはず。

離ればなれになっていても心は想いは皆1つだった。

だから頼って来い、待っているからさ。

俺達は一生懸命、訴え続けたんだ。

大切な仲間を失いたくなくて。






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