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[現代版] 天使と悪魔

第5章 記憶の連鎖②

・千賀side

その日の夜。



山「千賀、どうしても行くのか?」

千「ごめん亮太、でも俺」

屋「ほっとけるわけがないこいつにとって二階堂は」

山「分かってる分かってるけど独りじゃ危険だ」

千「お願いがある」

屋「なんだ?言ってみろ」

千「この子を聡を例の場所へ」

屋「俺達に託すと言うのか自分の子を」

千「その方が安全だから」

屋「分かった心配するな、必ず護ってやる」

千「ありがとう屋良にぃ」

江田「俺が責任を持って」

千「江田ちゃん」

屋「バカお前は自分の子を護れ」

山「千賀、気をつけて」

屋「ぜったい後から、追い掛けて来いよ」

千「はい」



聡、俺とニカの子。



山「あっ、待って」

千「なに?」

山「お前の羽根、1本くれない友情の証に」

千「亮太」

山「千賀は俺の心を救ってくれた千賀と出会えたから今の俺がいる」

千「大袈裟だよ、フッ」

山「そんなことない、だから御守りにこの羽根が欲しいんだ」

千「亮太」

山「そしたら、もっと強くなれる気がするから」

千「分かった ニコッ」

屋「場所は分かるな」

千「大丈夫」

山「ちゃんと、武器を持って」

屋「かなわぬ相手に出くわしたら即逃げるんだぞ」

千「うん」

屋「千賀」

千「はい」

屋「死ぬな生きて二階堂と戻って来い」

山「聡を独りぼっちにしたらダメだからね」

千「必ず」



思い出した、そう俺は。

あの時わけ分からない状況下の中。

みんなと内くんの部落から逃げる途中ではぐれ洞穴の中へ逃げ込んだんだ。

そしたら、そこに江田ちゃんや亮太・屋良にぃがいてさ。

でも、ニカのことが心配で

頼みの綱は屋良にぃの透視能力、けど何故だか上手くできなくて。

やっと見れたときには―

もしかしてこれって、あのとき俺が亮太にあげた?

俺達は、それからどうなったんだろう。

ニカとは会えたのか?

亮太や屋良にぃ江田ちゃんは聡はどうなったんだよ。

宏光やガヤさんタマや宮田

郁人たち、それにわったーに薮。

ダメだ思い出せない、けど知りたい何としてでも。

たとえ、それがどんな結果でも俺は。

でなければ前へは進めない気がした。

現世での俺達は。

そして、この日を境に俺らの過去への旅路が始まる。

未来と希望を掴む為の―





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