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[現代版] 天使と悪魔

第15章 未来への光り

・北山side

頭の中は、わけが分からないままボーッとして。

バカ…やろ‥おめっ…なんか…きっ‥クッ!



藤「愛している北山」

北「‥‥っ」



ギュッ!



藤「愛してるんだ」

北「なに言っ…て」

藤「愛している、ニコッ」

北「‥‥‥」



その瞬間!

自分の瞳から何故だか涙が零れ落ちる。

んなん…で?



藤「ふっ、心は反応する…か」



茫然としている俺の頬を、指で触れ拭いつつ優しく。

微笑みかけてくる藤ヶ谷。



藤「俺が思い出させてやるから」



なに…を?



藤「みんなも、それを待っている」



みんなって誰のことだよ。



藤「願っているんだ ニコッ」

北「んな意味フなこと言ってるんじゃねぇや」



ドンッ!

ハッと我に返ったみたいに突き飛ばすと。



藤「今はな、でもそのうちに分かる北山にも」



べっ、別に俺は…



北「寝る!」

藤「んっ?」

北「来るんじゃねぇ、これ以上なにかしたら」

藤「嫌いになる俺のこと?ならないよお前は」

北「なっ」



ダッ―
      バタン―

自分の部屋へ飛び込みベットの中へ潜り込んだ。

あぁーならないさきっと、だから悔しんだ俺は。

お前の、その分かりきっているような態度を見てると無性に腹が立つ。

そのまま眠りについて翌朝



藤「おはよう ニコッ」

北「‥‥っ」



藤ヶ谷は何もなかったかの如く話しかけて来て。

口なんかきいてやるもんか



藤「なんだ、また黙り作戦する気?」

内「藤ヶ谷、さてはお前」



知らねって。



藤「いいさ、それでも」

内「さっそく行動に移してしまったってわけやな」



けど、それからも。

まるで恋の駆け引きをするように攻めて来るこいつに心は散々に乱れ。

そんな中で俺は、あの日を迎える。



「宏光、目覚めよ目覚めるのだ奇跡の天使」



この声は親父?



「今こそ立ち上がり、その力で世界を平和へと導け、お前の愛を皆が待っている」



愛の天使として覚醒する日を。

それは春真っ盛りの演舞場。

滝沢歌舞伎の幕が、もすぐ開くという時に起きた出来事だった。





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