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[現代版] 天使と悪魔

第15章 未来への光り

・藤ヶ谷side

内「前世の記憶、甦り深き愛に満ちたとき。そう言ったんやな?」

藤「あぁ」

内「その後の言葉は」

藤「んっ?」



そのあと?



内「ないんか他に?」

藤「親子の愛が、どったらこうたら」

内「はあっ?大丈夫かお前」

藤「なにが」

内「言葉の解釈、間違ってるんやないよな?」

藤「そんな事ないって」



たぶん、ハハッ!



内「勘違いしてましたじゃ済まさへんのやで」

藤「分かってる、それくらい」

内「まぁーいい俺の方でも確かめてみるよって」

藤「だから俺」

内「もし本当にそうだったとしても、あいつを傷つけるようなことをしたら許さへんからな」

藤「あぁ」



お前がどれだけ北山のことを大切に思っているか。

俺だって嫌ってほど分かっているし。



内「ほな俺は屋良さんの所へ行って来るさかい、くれぐれも」



無理強いはするんやない、そう言って内は出て行く。

あとは―



北「なぁーんだ今度は内が出かけちまったんだ」



俺たち2人だけが残り。



藤「なぁ北山?」

北「‥‥っ」



風呂上がりの身体からは、いい匂い漂って来て。



北「プイッ、口きかねって言ったろ」



きいてるじゃん、クスッ!

背中を向けている姿に俺の心は激しく掻き立てらてしまう。

ギュッ!

そして腕の中へ包み込んだ途端にビクッと反応し。

愛している…

俺は、精一杯の想いを込め強く抱きしめたんだ。



北「ふっ、藤ヶ谷、放せ」



離さない、もう二度と絶対に。

そう固く心に誓いながら。





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