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10年恋

第6章 第六章



トイレに行くつもりは本当はなくて。


気が付けば屋上で寝転がっていた。


目の前には雲ひとつない青空がひろがっていて、まるで俺の心と正反対だと思った。



昨夜ニノは翔くんに振られたからあんなに悲しい顔をしていたのでは?


でも、ニノは翔くんのまえで嬉しそうに笑ってた。翔くんも。


あの空気感は、幸せそうなカップルそのものじゃないか。


じゃあ翔くんはニノの告白をうけいれたのだろうか?


そーいえばあの日翔くんは好きな人がいるといっていたけれど、それはニノのことだったんだろうか。



考えれば考えるほど思考はぐちゃぐちゃになって、無理やり目をつぶった。


眠りに落ちたのはそれからすぐのことだ。













そばに誰かがいる気がして、そっと目を開けたら、翔くんの顔が近くにあった。

なぜか翔くんは真っ赤な顔してる。


「あ、智くんおはよう」


「おはよ、今何時?」


結構寝てた気がする。


「昼休みだよ、なかなか戻ってこないから探してた」


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