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10年恋

第4章 第四章

智side


潤が来れなくなったことは悲しかった

その気持ちを察したのか

ニノはさらに強く手を握ってくれた


そんな優しいニノは

台風のような勢いで現れた相葉ちゃんに

連れらされてしまったのだけど。



だから今

翔くんとふたりきり。


翔くんは優しい。

手を繋いでくれたし、

本当はアトラクションが苦手なのに、

無理して乗ってくれたり、


まあもう限界そうだけれど。


「じゃあ、観覧車乗ろうよ!あれなら怖くないよ!ゆっくりだし」


ひと休みして、

どうする?って翔くんに聞かれたから

観覧車を提案してみた。

これなら大丈夫なはずって思ったんだけど、

どこか浮かない翔くんの表情。


「あれ?イヤだった?」


観覧車もだめなのか?


「あ、いや、だ、だ、大丈夫だよ!行こう!」

本当に大丈夫なのだろうか?

翔くんの大丈夫ほどあてにならないことは、このあと良く知ることになるのだけど。



観覧車に向かう途中、

相葉ちゃんとニノを発見した。

おーい!って手を振ろうとしたら、

翔くんに止められた。


「ふたりの邪魔しないほうが」


たしかに相葉ちゃんとニノは手を繫いでいる。ニノが嫌がっているように見えるのは、気のせいということにしておこう。


あの二人、付き合ってたのか!

そうかだから二人きりで楽しんでるのか納得!


「うん、邪魔しないでおく」


せっかくのデートだもんね。

なんだ、ニノも教えてくれればよかったのに。相葉ちゃんと付き合ってるって!

今度詳しく聞かなきゃだなー。





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