10年恋
第3章 第三章
結局、映画には潤と一緒に行った。
そう話したら、翔くんはよかったねって言ってくれた。
もしかしたら彼の狙い通りだったのかもしれない。
俺とじゃなくて潤と行くべきだって。
なんだか翔くんには気を使わせてばっかりだ。
潤との交際は順調だった。
デートだってたくさんした。
もちろん恋人同士がすることも、全部経験した。
初めては怖かったけど、潤はとっても優しかった。
いつだって甘やかしてくれる潤が大好きだ。
ニノがたまに茶化してくることもある。
「この間のデートどうだったの?」
ニノはずるい。
俺は思い出しただけで顔が真っ赤になって、なにも答えられなくてうつむくだけ。
そんなとき
いつも
翔くんが
切なそうな表情で
俺を見つめていたことは
知らなかったけれど。
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