
泣かぬ鼠が身を焦がす
第34章 旅は道連れ
次に目が覚めた時俺は寝る前と同じように拓真さんの腕の中にいた
けれど、ぼんやりした頭が覚醒していくと共に寝る前と違うところが2つあることに気がつく
なんかちょっと苦しい
のと、頭に何かがちょこちょこ当たってる
苦しい原因はすぐにわかった
拓真さんが起きてて、俺のこと抱きしめる腕に少し力が入ってたから
頭に当たってるのは
わかんなくて、上を向いたら
「ん……っ」
すぐに拓真さんに顔中にキスを落とされて原因が判明
髪の毛越しの頭にめちゃめちゃキスされてた
「ん……んー……なに、拓真さん……っ」
瞼や口の端や頬や額や
本当にいろんなところにキスをする拓真さんのせいで会話もままならなくなりつつ俺が聞くと、拓真さんはキスをやめて額を合わせてきた
「俺が起きてるのに、純が起きていないからお仕置き」
「はぁ? なにそれ子供みた……っん、ちょ……」
訳わかんない理由に反論しようとすると今度は口を長いキスで塞がれてしまう
深いキスじゃなくて、唇を唇で挟まれたり表面舌で舐められたりの軽いやつ
だけど、俺の反論を止めるには十分で
「ん、ん……んー……ふ、ん」
俺は途中からキスに応えるだけになってた
