
泣かぬ鼠が身を焦がす
第32章 愛してその醜を忘るる
俺がそんなアホなことを考えながらボーッとしていると、拓真さんがシャワーを取って俺たちの下半身を流してくれた
流れて行く……
俺たちの精液……
ちょっとハイになってる俺は、俺が飲んでも良かったのになんて考える
あったかいシャワーで全部綺麗に流されると、拓真さんは俺の肩に頭を預けて来た
「!」
ちょっと今のドキッとした
甘えてる感じがして可愛い
「……拓真さん?」
俺が声をかけると、拓真さんは大きく息を吐いた
そして
「……寝てたんじゃなかったのか?」
と聞いてくる
「疲れてたから目瞑ってただけだよ」
「撫でても反応なかっただろ」
なに、これ
俺責められてる?
「……ごめん?」
疑問形で俺が謝ると
「……」
拓真さんは何も言わなくなってしまった
なんだ?
どうしたんだろ
拓真さんが何か言うのを待ってみたけど、どれだけ待っても何も言わないどころか動きもしない
「ごめんね?」
俺がもう1度謝ってみると、今度は反応が返って来る
「!」
拓真さんは俺をきゅ、と抱き締めるように体勢を直してきた
んだけど、その意味が俺にはわからない
