
泣かぬ鼠が身を焦がす
第32章 愛してその醜を忘るる
怒りは込み上げて来たけど、でも
そんなことよりも気になるのは拓真さんの今のこと
拓真さんもやっぱ男だからオナニーとかするんだ……
脱衣所に入って、息を殺しながら浴室から響く音に聞き耳をたてる
このぐちゅぐちゅ言ってるのは浴室で濡れたから?
それとも拓真さんの先走りがそれだけ出てるから?
あー可能性としてはもう1つあるな
既に1回はイッてて、1回目の精液が音を立ててる
どれにしてもすげー厭らしいな
「……っ」
やばい
俺の下着まで湿って来てる
俺の頭の中で2つの選択肢がぐるぐるしていた
1つ目は今すぐ拓真さんのオナニー現場に突入してセックスに雪崩れ込む
2つ目はこのまま拓真さんのオナニーの音聞きながら俺もオナニーする
あぁぁぁ
どっちも魅力的すぎ
せめて拓真さんのオナニーしてる顔とかちゃんと見れたら良かったのに……っ
そう思ったところで、俺の頭に第三の選択肢が閃いた
1と2を混ぜちゃえばいいのか……!
拓真さんの現場に突入して2人で相互オナニーをする
これだ
俺は迷わず拓真さんのいる浴室の扉を開けた
「!!!!!」
拓真さんの、すごい驚いた顔
