
泣かぬ鼠が身を焦がす
第21章 能ある鷹も身を焦がす(サイドストーリー)
ウェイターさんがカードを持って戻ってきてから席を立ち、ホテルを後にします
すると「あっちに公園があるんだ」と三村様が仰られてそこへ行くことになりました
こんなところにこんな場所があったんですね
わかりにくい場所なので、知りませんでした
「暗いから、足元気を付けて」
「はい」
三村様に気を使って頂きながら歩き、入り口から少し奥に入ったベンチに腰掛けました
そして一息ついた、その直後
私の視界は反転し、空を眺めていました
「!?!?」
三村様にベンチの上で押し倒されたのです
「三村様!? 何を!?」
「何って、期待してたんだろ?」
はい?
三村様は不敵な笑みを浮かべられています
その顔は、あの日見た顔に近いような……
「あんなことされたのに誘われてのこのこ食事に来て、俺のこと嫌いじゃないとか言っちゃって」
あれは、私の本心で……
「俺に虐められるの、癖になっちゃったんでしょ?」
「!? なってません!!!」
断じて、なってませんから!!
「縛られてイかされて、気持ち良かったんだろ」
この時の三村様の話し方は、先ほどよりよっぽど顔と性格とのギャップがないように感じます
