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泣かぬ鼠が身を焦がす

第9章 磯の鮑の


「何してんだよ!やめろって……!」


こんの、ど変態!!!


俺の動揺を笑う杉田さん


笑い事じゃねー!!


「ノラ」
「…………」
「ノラ」


余裕綽々な態度に苛ついて無視すると、杉田さんは俺の肩に顎を乗せてきた

懐いた猫みたいな仕草に、きゅんと胸が鳴る


「……なんだよ」


可愛さにやられて返事をした俺の首筋に、軽くキスを落とされた


「んっ……なに、擽った……っ」
「身体熱い。先上がってろ」


そしてそう言うと脇の下から持ち上げられる


ペットみたいな扱いだなおい

でも確かにちょっと上気せ気味だし
言う通りにしとこ


「じゃあ、俺先に上がる」
「ん」


いつもは俺と一緒に上がるけど、今日は圧倒的に杉田さんが浴槽に浸かってた時間短いし

もうちょい浸かりたかったのかな


扉をガラッと開けた時に流れ込んでくる冷たい空気が気持ちいい


1回抜いた後の脱力感も相まって、良い感じに眠いわ


柔らかいタオルで身体を拭いて
パジャマ一式着込んで
髪乾かして

そこで漸く杉田さんが浴室から出てきた


「なんかいつもより長かったね?」
「そういう気分だったんだよ」
「へぇ? 体調悪いとかじゃないならいいけど」

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