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泣かぬ鼠が身を焦がす

第8章 網の目にさえ


でも杉田さんに酷くされるのがなんでか許せなくて
俺は脚の間に身体を割り込ませていた杉田さんを踵で蹴った


「痛って……」
「痛いのはこっちなんだけど!? 急になんなわけ」


杉田さんが口を離したところを見ると、見事に真っ赤に色づいて痛々しくなっている


エロいっちゃエロいけど


「……すまない……」
「?」


杉田さんが言い淀むのなんて、珍しいな


「別にいいけど、あんま痛いのは嫌だ」
「あぁ。悪かった」


今まで自分の飼い主につけたこともない注文をつけると、素直に謝罪の言葉を言われる


普通の、関係みたい
こんな金とか絡んでなくて


「…………」
「ちゃんと優しくする。カッとなって悪かった」
「……ううん」


ごめん、て謝りそうになって、なんで謝るんだって聞かれたら困るから口を噤んだ

杉田さんは行為を再開すると、まず噛んでいた乳首を触れるか触れないかの微妙な力加減で舐めてくる


「ふぁ、ぅ……んん」
「痛くないか?」
「ん、痛く……な、い……下も、触って……っ」
「すごいことになってる」


漏れなく杉田さんのせいだけどね!


下着とパジャマの上から掌で押されて、腰がベッドにくっつくように逃げた

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