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不透明な男

第12章 惑乱


“暖める”
暖めるって、なんだ?
何をされるんだ。

すっかり怯えてしまった俺は、瞳に涙を溜めて震えていた。


『男とヤッた事無いのか?』


何を聞いているんだ。
そんなの当たり前じゃないか。


『そんなに怯えるな。最後までヤりゃしねえよ』

『いいトコは社長に残しとかなきゃ命が危ないんでな』


俺のベルトを外しにかかる。


智『やだ…っ、や、めろっ』

『大人しくしろ。無駄に怪我させる訳にいかねえんだ』

『社長の大のお気に入りに怪我なんてさせちゃ、それこそ殺され兼ねないからな』


俺の腕を掴んで動きを止める。
はだけた服はそのままに、ベルトを弛めジーンズを下げる。

どうやら社長の趣味らしい。

綺麗な物を汚した、そんな感じがたまらなく好きなんだと、コイツらは笑っていた。


『お前は只、泣いて叫んでりゃいいんだよ』

『頬を紅くして、初めての刺激に震えながら恐怖に怯えとけばすぐ終わるさ』

智『ん…っ、や、やめ…っ』


俺を暖める。
その言葉通りに二人で俺を触りまくる。


智『ん、く…っ、は、離して…』

『惜しいな…。ヤりてえ…』

智『んぁ、あっ』


俺の前を下着から取り出し、口に含んだ。


智『あ、あっ、や、やめて…っ』

『こら、バレたら社長に殺されるぞ!』

『こんなの我慢する方が地獄だ。くっそ…』


なんとか口内から解放されたが、俺は安心する間も無く、身体を舐め回される。


智『く…っ』



ガチャッ


『…なんだ?』

『他に誰か来るのか?』

『いや、聞いてないが』


一人は俺を押さえ付けて見張っているが、もう一人は玄関の方に向かった。

胸を吸われながら耳を澄ますと、話し声が聞こえた。


『どうしてお前がここに?』


僕も呼ばれたので、そう返答する声は、青年のものだった。

足音が俺に近付く。


智『あ…』


ベッドに張り付けられ、服を乱された俺を見て、青年は眉をしかめた。
だがすぐに表情を元に戻し、男達と何やら話し出した。


青『何故こんな生ぬるい事を?』

『傷付けるなと社長から言われてるからな』

青『僕の時は散々なのに、社長も酷い人だな』

智『え…?』



どういう事だ?



この青年は、何を言っている?







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