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不透明な男

第8章 序章


「あっ…」


俺は看護士を壁に押し付け首に吸い付く。


「智くんて…こんな…っ、あ」

智「男を舐めちゃだめなんだよ…?」


俺は服の裾から手を滑り込ませる。
下着をずらし、直に胸の膨らみを優しく撫でてやる。


「ん…っ、ぁ…」

智「ふふ、敏感なんだね…」


撫でる度に当たる指の刺激だけで、胸の突起が固くなっていた。


「あ…駄目…」

智「いつものお姉さんも綺麗だけど、もじもじしてるお姉さんはもっと可愛い…」


看護士は潤んだ目をしながら俺の首に腕を回す。
キスしてと言わんばかりに顔を近付けてくる。

俺は、それを寸での所で交わし、耳を舐めてやる。


「あっ…智くん…キス…」

智「お姉さんがイッたらしてあげる…」

「ん、あぁ…、意地悪…」

智「声、もっと聞かせてよ…」


もうすぐだ、もうすぐで視線がやってくる。

俺は胸の突起をきゅっと摘まんで刺激を増やしてやる。


「んっ、あ、はぁ…っ」

智「ふふ…」


きた。
刺すような視線を背中に受けた。


智「あ」


俺は耳から唇を離し、思い出した様に天を見上げる。


智「お姉さんごめんね?おれ、行くとこあったんだった」

「え…」

智「じゃ、またね?」


きょとんとする看護士の洋服を素早く整えてやると、俺は爽やかな笑顔を残して背中を向けた。

明らかに翔のものであるその視線が刺さったまま、俺はゆっくりとその場を後にした。






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