
不透明な男
第8章 序章
瞬間、頭がズキッと痛んだ。
こめかみを押さえ、顔をしかめる俺に、更にガンガンと頭痛が降り注ぐ。
智「く…っ、いてえ…」
目の前がチカチカする。
眩しさが頭痛に追い討ちをかける。
智「う…う…」
俺は耐えられずに目を瞑る。
目を閉じても瞼の裏にチカチカが反射する。
智「く…っ、あ、あ…」
チカチカした光と共に映像が脳裏に流れ込んでくる。
智「あ…、や、やめろ…っ、やめて…」
蹲っていた俺は、目を見開くとバッと頭を上げた。
立ち上がると俺の目に映るスーツを手に取る。
これは……
俺は頭の痛みを抱えながらも冷ややかな目でそれを見ていた。
