
ツインテールの君
第1章 聖夜の宴のデザートは?
「やった!すみれ一番乗りです」
すみれが、ダイヤのクイーンとスペードのクイーンを、卓袱台の上に手放した。
「おめでとうございます!桃兎すみれさん、優勝です」
國佳は、"1"の付いたピンク色のプレゼントボックスをすみれに授与する。
「開けて良いですか?」
「どうぞ」
「らんらんらーん……ウサギさんだぁっ」
「あーっ。國佳さん達のお店の新作!しかも日付とデザイナーさんのイニシャル入り!」
さすがアリスだ。プレゼントボックスを開けた本人よりいち早く、中から出てきたぬいぐるみのサインに目を留めた。
すみれの腕に収まった、ロップイヤーの白ウサギのぬいぐるみ。足の裏に入った刺繍は、國佳達が今夜の企画をデザイナーに話したところ、彼女が厚意で手がけてくれたものだ。
すみれの次に、アリスがババ抜きを上がった。
続いてイオリ、雛、そして國佳という順で、勝敗順位が決まっていった。
せりはが、最後まで二枚のカードを所持していた。
彼女が何故、涙目なのか。罰ゲームを考案した当人である國佳は知っている。
