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ツインテールの君

第1章 聖夜の宴のデザートは?


* * * * * * *

 苺とココアで着色した、ピンクとブラウンのマーブルカラーのクリスマスケーキを切り分けて、シャンパン風味の熱い紅茶で乾杯した。

 アラザンの銀箔が混じってきらきら星屑が浮かんだような紅茶を注いだカップを片手に、各々の自己紹介を兼ねて暫しの歓談を楽しんだ後、いよいよタイムスケジュールが始まった。



 一つ目の企画はクリスマスメイク講座だ。


 せりはは美容学校を卒業している。

 彼女のノウハウを活かし、希望者から選ばれた一人がクリスマス風のメイクを施されるという企画は、期待以上に好評だった。


 被験者に決まったのはアリスだ。

 色素の薄い、きめ細やかな小さな顔に、ホワイト系の化粧をしたアリスはまさに天使だ。



「せりはさん天才!お店でもこんな企画して下さいよー。ね?イオリ?」

「アリスさんだけ……良いなぁ。すみれも、髪にきらきら、つけたいですっ」

「すみれちゃんは、何にもしなくてもきらきらだよー。私の天使さん、まぶしい」

 雛子がすみれの巻き毛を少量掬って唇で触れた。

 アリスが雛子達に負けじとしたのか、イオリの胸に手を伸ばす。

 が、イオリに軽くかわされた。


「イオリのばかーっ」

「さっきも触ったじゃん」

「さっきって何時間前よ?!」

「たったの二時間前」


 國佳はせりはが化粧箱を片付けている傍らで、トランプゲームの準備にかかった。

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