
ツインテールの君
第1章 聖夜の宴のデザートは?
口舌を奏でる機能がとけてなくなってしまうのではと危ぶまれるほど、深く長いキスを交わした。
アリスはイオリの唾液を啜って、飼い主にじゃれつく愛玩動物の仕草で嫋々たる肢体を組み敷き、熱い喉を啄んでゆく。
指に絡みつく恋人の体液。
ぬめりとした果実の割れ目をかき分ける指は、二度と空気に触れたくなくなる。
「ぁっ……んっ!……アリス、っっ……」
中性的な顔かたち。少し掠れたメゾの声。
イオリのまとう侠気な風情も、アリスの下では無に等しい。
「いやらしいの。ねぇ、イオリここ弱いでしょ。こんな風にしたら気持ち良い?」
「あっ、あぁっ……あ、ちょっと待って……そこっ、触っちゃ……」
ぐちゅぐちゅ……さらっ…………
親指で縮毛をもてあそびながら、中指を熱い沼に抜き差しする。
アリスはくねる肢体をシーツに縫いつけ、たわわな乳房を飾ったピンク色のコットンパールを舌先でつつく。
「あっあん!」
「イオリのここ、美味しいね。ぷっくり膨れてエッチ。……ねぇ?こりこりしてきたよ、何でよ……」
「やぁっ……」
くにゅくにゅ…………
ずちゅっ……ずぷっ…………
くらくらとする衝動に急きたてられて、憑かれたように恋人の体内をこする。
悲鳴にも近い嬌音が上がった。
刹那、イオリの身体が天にまみえた症状をきたした。
アリスは指を引き抜いて、無味の花蜜を口に含む。
アリス自身も濡れていた。
出逢った夜、媚薬を喉に流し込まされ、少女ではなくなった時のように──…。
