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どっちもぼっち。

第1章 みかん色に染まりたい柚と染まるきのないライム

 

 仕方なしに。首をかしげるミミズクさんこと鳥頭でも、この俺を思い起こす事のできるヒントを与えてやろう。


「あーほら、4月の学校探検のとき」

「だれの班にも入れなかった貴様クソボッチと担任といっしょに学校を渡り歩いた、人気者といえば――」




「ああ『校内より君の口内を探検したい』と言って迫ってきたセク原くんかあ」




「――ピンポーン! そうそう教師の目を盗み人気のない教室に連れ込んで、くちびるを奪ってたまるかクソビッチ」



 そもそも、んなこと言ってたまるか。下等なお下劣に乗らせんじゃねえよ。


 俺は灯しかけてしまった形而上の正解ランプを消し、不正解ランプの代わりに自分の頬を灯した。赤原君に赤っ恥かかせてんじゃねえよ。



「なに想像してんの」


「だまれ」



 ええい、ええい仕切り直しだ。向きになりだした俺は第二ヒントへ移ることで、編集点を作ることにした。


 

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