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☆ラリマーの扉☆

第23章 流星と金星飴

「…そうかい?なら次行くよ」

夕日の染まる教室はだんだん暗くなってゆく…。

明るい夜空の手前というくらい。

「…うん」

私はすこし、外を眺めていた。
星塚君が説明しているのに申し訳ないと
思いつつも…。

金星を眺めていた私は勉強のことをおろそかにした…。

ほんの少し。

集中力を夜空に奪われる。


「そこはこう解くんだ…って…リンネ?」

「あっ、ごめんね。星空眺めてた」

……綺麗に輝く夜空がキラリと私を照らす。

明るい非現実な夜空を見たのはいつぶりかな。

そう言うと星塚君はベランダに出た。

「……星塚君?」

私も立って見に行こうかな?

「なんて美しいんだろう…」

星塚君の見つめるその先は
流れ星がいまにもこぼれそうなくらいの
夜空を見つめていた。

私もいつしか、見とれていた。

「だね……」

学校に来るのを再開したばかりの私に
なんで、男子と2人と夜空を見るんだろうな…

奇跡、の2文字しかない。

本当は今日、さっさと終わるはずだったのに。

いつもと違うなんて思ってもみなかった。

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