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☆ラリマーの扉☆

第18章 オレ様王子と感情薄き王女  ~脱出~

頼んだモノが届いても無言のまま。

隣にいるホルリをちらっと見ると
悲しそうな顔をしながら食べている。

「…ホルリ」

そう呼びかけても反応はしないのに。

「なに…」

気分を悪くさせてしまった……

束縛が強すぎるこの性格のせいで

ホルリを────…

引き裂いてしまった。

もうやってしまったこと、後戻り出来ない

許されないことなのにどうして気付けなかったんだ─────…?

「ごめん、オレは何を…」

夢から覚めたかのような謝り方

何をごまかしてももう
やったことはホルリの心に残っているのに…

ホルリは首を振って
「ごめんなさい、もう帰ります…」

と、言ってレストランの厨房に入っていった…。

「どこへ行く…」

ホルリは風のように走っていく。

ホルリは厨房の中に入り、姿が見えなくなった…


追いつけない────…


帰ってきたホルリはナイフを持っていた。

「…帰るためにはあなたを殺さなくてはなりません、助けてくれたお礼に殺させてください」

おどろいて、オレは大地に縛られたように
動けなかった…

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