
素晴らしき世界
第31章 向かい合わせ
「ほんとビックリさせないでくださいよ」
買い物を終えた俺たちは少し遅めのランチ。
「勝手に相葉くんが勘違いしたんだろ?」
「『赤ちゃんが産まれたから服を
選んでほしい』なんて言われたら
誰でも大野さんの子だって思いますよ」
「相手もいないのに?」
「あっ、そうですね!」
「すぐに納得されるとそれはそれで凹むわ」
「ドンマイです」
「でも相手がいないのは相葉くんも同じだろ?」
「経験値は俺の方が上ですから」
大野さんは俺が結婚、
そして離婚した事を知っている。
離婚届を渡してからすぐに
引っ越すための物件探しを始めた。
そこで担当になってくれたのが大野さんだった。
ボーっとしてて大丈夫かな?
なんて思ってたけど、
俺の条件にあった物件を
すぐにピックアップしてくれた。
後から聞いた話だけど、
月の契約件数はいつもトップらしい。
きっとその訳は『聞き上手』にあると思う。
お客様の要望をしっかりと聞き入れ、
そしてお客様に寄り添ってくれる。
そんな大野さんの接客に俺は救われたんだ。
条件としては完璧な物件を前に
俺が契約を渋っていると
『キープされますか?』と
大野さんが提案してくれた。
契約をしないならそれで終了なのに、
きっと何かを察してくれたんだと思う。
そして『キープ』なんて出来るのも、
大野さんの積み上げて来た実績があるからこそ。
まぁ、それに甘えて
長い間キープしてもらったんだけどね。
そんな大野さんにお礼がしたいと思っていたら
『スイーツ』が好きってのがわかった。
俺も好きだから一緒にスイーツ巡りしたり、
こうやって出かけるようになった。
最初はまだお客様と店員って感じだったけど、
あっという間に打ち解けて仲良くなった。
もちろんプライベートでも聞き上手で、
今では俺の全てを知っている人だ。
でももしかしたら……
ずっと誰かに聞いてほしかったのかもしれない。
買い物を終えた俺たちは少し遅めのランチ。
「勝手に相葉くんが勘違いしたんだろ?」
「『赤ちゃんが産まれたから服を
選んでほしい』なんて言われたら
誰でも大野さんの子だって思いますよ」
「相手もいないのに?」
「あっ、そうですね!」
「すぐに納得されるとそれはそれで凹むわ」
「ドンマイです」
「でも相手がいないのは相葉くんも同じだろ?」
「経験値は俺の方が上ですから」
大野さんは俺が結婚、
そして離婚した事を知っている。
離婚届を渡してからすぐに
引っ越すための物件探しを始めた。
そこで担当になってくれたのが大野さんだった。
ボーっとしてて大丈夫かな?
なんて思ってたけど、
俺の条件にあった物件を
すぐにピックアップしてくれた。
後から聞いた話だけど、
月の契約件数はいつもトップらしい。
きっとその訳は『聞き上手』にあると思う。
お客様の要望をしっかりと聞き入れ、
そしてお客様に寄り添ってくれる。
そんな大野さんの接客に俺は救われたんだ。
条件としては完璧な物件を前に
俺が契約を渋っていると
『キープされますか?』と
大野さんが提案してくれた。
契約をしないならそれで終了なのに、
きっと何かを察してくれたんだと思う。
そして『キープ』なんて出来るのも、
大野さんの積み上げて来た実績があるからこそ。
まぁ、それに甘えて
長い間キープしてもらったんだけどね。
そんな大野さんにお礼がしたいと思っていたら
『スイーツ』が好きってのがわかった。
俺も好きだから一緒にスイーツ巡りしたり、
こうやって出かけるようになった。
最初はまだお客様と店員って感じだったけど、
あっという間に打ち解けて仲良くなった。
もちろんプライベートでも聞き上手で、
今では俺の全てを知っている人だ。
でももしかしたら……
ずっと誰かに聞いてほしかったのかもしれない。
