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俺の言葉に雅紀は何も答えてはくれなかった。

別に『好き？』と聞いた訳じゃないから、
雅紀がそれに答える必要はない。

でも雅紀は腕を伸ばして
俺の身体を抱き寄せた。

俺もシーツと雅紀の背中の間に
手を滑らせ抱きしめる。


心はもう、寄り添う事は出来ない。


だから隙間もないくらいに
ギュッとギュッと抱きしめた。

「いい？」


だから今だけ……

せめて身体だけでも……


「いい…よ」

「大丈夫？」

少し震える声の返事が気になって、
俺は身体を離して雅紀の顔を覗き込んだ。

「大丈夫、大丈夫だから……きて？」

また雅紀の目が潤んでいた。

そして瞬きをした瞬間、
溜まっていたものが目尻から零れ落ちた。

「わかった」


雅紀が大丈夫って言うのなら、
もう涙の理由は考えない。



でももう……泣かないで？



そんな想いを込めて、
また涙が溢れだしそうな目尻にキスをした。

そして着ていたバスローブを脱ぎ捨てると、
何もしていないのに上を向く俺のモノを
手で何回か扱き上げた。

何年も雅紀としていないので
コンドームなんてものはない。

もちろんローションもない。

でもせめて少しでも雅紀が辛くない様に
先走りを自分のモノに纏わせた。

「ごめん、ちょっと我慢して？」

再び足を立たせて割り開くと、
晒されたあの部分に指ではなく俺のモノを宛がった。

「うっ、あ…あぁっ」

必死に声を我慢しようとしているが、
漏れてくる声は雅紀の苦しさを伝える。

「もう少し…っ、もう少しだから」

中の締め付けに耐えつつ、
少しでも苦しさを紛らわそうと
雅紀のモノの手で包んで少し早めに扱いた。

「やっ、そんな…早くしちゃ…っ」

甘い声に安心しつつ、
ゆっくりと俺のモノを中に埋めていく。


そして……

雅紀の肌と俺の肌がぴったりくっついた。


「全部……入ったよ」