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素晴らしき世界

第31章 向かい合わせ

雅紀の中は俺の指の侵入を
拒否するかのように固くて狭い。

それは雅紀が誰かに抱かれていない証拠。


でもそれ以上にその事が、
俺に対する雅紀の心なんだって思い知った。


適当にその場を乗り切って、
雅紀の気持ちに耳を傾けなかった。

雅紀の心に触れてこなかった。


だから雅紀は心を……閉ざした。


「痛くない?」

白濁を救っては中を潤しながら
少しずつ指を動かし柔らかくしていく。

「だいじょう…ぶ、だから……」

苦しさや辛さを逃がそうと、
深呼吸を何度も繰り返す雅紀。


ちゃんと雅紀に声をかけて、
ちゃんと雅紀の身体の変化に気がつく。


ちゃんと雅紀と向き合う。


こんな行為の時に出来なかった事を
やろうとするなんておかしな話だけど……



俺には『今』しかない。



固く閉ざされた雅紀の中は
そんな俺の意思が本物なのか
確かめているんじゃないかって思う。


だから俺はもう……逃げない。


せめて今だけでも……俺を受け入れて欲しい。


「こっちに集中して?」

「あぁっ、汚い…っ」

パクッと雅紀のモノを口に含み
舌で優しく刺激すると、
俺の中で少しずつ質量を増していく。

そして力んでいた身体が少しだけ緩み、
その間に中を優しく押し広げて柔らかくする。

「やぁぁぁっ、ソコ…っ!」

ようやく辿り着いた雅紀のいい所を、
何度も擦って刺激しながら
口の中で溢れて出てくる先走りを吸い上げる。

「やっ、やっ、ダメッ…また、あぁぁぁっ」

口の中に雅紀の白濁が広がり、
俺はそれを躊躇なく飲み込んだ。

「飲んだ…の?」

息絶え絶えに聞いてくる雅紀の顔を
覗き込んだら真っ赤になってた。

「恥ずかしかった?」

「聞かないで…よ」

「ふふっ、ごめんごめん」

汗で額にくっついていた前髪を指で掻き分けると
雅紀は嬉しそうに微笑んだ。


久しぶりに見た雅紀の笑顔。


やっぱり俺はその笑顔が……


「好きだよ」

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