
素晴らしき世界
第31章 向かい合わせ
いつからか……
俺は雅紀を苦しめる事しかしてこなかった。
それが和也くんと出会って変わった。
変わったというより……気がついた。
和也くんとのご飯でも雅紀の好きそうな店を選ぶ。
和也くんが喋った言葉が雅紀の言葉に変換される。
和也くんの笑った顔に雅紀の笑顔が重なる。
和也くんを抱きしめると雅紀とは違うって思う。
和也くんといると思い出すのは雅紀の事ばかり。
和也くんと出会って俺は、
ちゃんと今までの雅紀と向き合った。
そうしたら……
俺の中には雅紀しかいなかった。
楽だと思って付き合い始めたのに……
いつの間にか雅紀を好きになっていた。
でも、気がつくのが遅かった。
雅紀の中にはもう俺はいない。
知らず知らずのうちに雅紀の中から
俺を『好き』だという気持ちが薄れていった。
もし気がついていたら?
どうしたら雅紀の気持ちを
繋ぎ止めていられたんだろうか……
いや、出来なかっただろう。
だって気かついたって、
俺にはどうする事も出来ない。
雅紀が全てのきっかけだったから……
だから今でもわからない。
付き合っていた時や同棲していた時、
結婚生活を送っていた時に雅紀が俺に
本当は何を求めていたのか。
でもだたひとつだけ……わかる事。
「別れるよ、雅紀」
雅紀を抱きしめる腕を解き身体を離すと、
テーブルに置きっぱなしになっていた
離婚届に手を伸ばした。
雅紀の最後の望み。
最後の雅紀がくれたきっかけ。
本当は言いたい。
『別れたくない、一緒にいたい』と……
でも俺はそれを言う資格はない。
だってそれ自分勝手なワガママ。
俺は雅紀はたくさん傷ついてきた。
それでも雅紀は俺には何も言わず、
ずっと耐えて来た。
だから俺も何も言わない。
言っちゃいけないんだ。
雅紀と同じように……
でも今の気持ちだけは伝えてもいいかな?
俺は雅紀を苦しめる事しかしてこなかった。
それが和也くんと出会って変わった。
変わったというより……気がついた。
和也くんとのご飯でも雅紀の好きそうな店を選ぶ。
和也くんが喋った言葉が雅紀の言葉に変換される。
和也くんの笑った顔に雅紀の笑顔が重なる。
和也くんを抱きしめると雅紀とは違うって思う。
和也くんといると思い出すのは雅紀の事ばかり。
和也くんと出会って俺は、
ちゃんと今までの雅紀と向き合った。
そうしたら……
俺の中には雅紀しかいなかった。
楽だと思って付き合い始めたのに……
いつの間にか雅紀を好きになっていた。
でも、気がつくのが遅かった。
雅紀の中にはもう俺はいない。
知らず知らずのうちに雅紀の中から
俺を『好き』だという気持ちが薄れていった。
もし気がついていたら?
どうしたら雅紀の気持ちを
繋ぎ止めていられたんだろうか……
いや、出来なかっただろう。
だって気かついたって、
俺にはどうする事も出来ない。
雅紀が全てのきっかけだったから……
だから今でもわからない。
付き合っていた時や同棲していた時、
結婚生活を送っていた時に雅紀が俺に
本当は何を求めていたのか。
でもだたひとつだけ……わかる事。
「別れるよ、雅紀」
雅紀を抱きしめる腕を解き身体を離すと、
テーブルに置きっぱなしになっていた
離婚届に手を伸ばした。
雅紀の最後の望み。
最後の雅紀がくれたきっかけ。
本当は言いたい。
『別れたくない、一緒にいたい』と……
でも俺はそれを言う資格はない。
だってそれ自分勝手なワガママ。
俺は雅紀はたくさん傷ついてきた。
それでも雅紀は俺には何も言わず、
ずっと耐えて来た。
だから俺も何も言わない。
言っちゃいけないんだ。
雅紀と同じように……
でも今の気持ちだけは伝えてもいいかな?
