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一生懸命な葵くんの言葉に胸が暖かくなる。

こんな感情を抱いたのはいつぶりだろうか。






「それに、兄ちゃんも自業自得ですよ。自分の限界に気づけないなんて。俺にはもっと兄ちゃんを頼れって言うけど自分だって人への頼り方、知らないんです。恋愛経験もほとんどないから人に甘えることも知らない。」






その言葉を聞いて俺に対しての態度はそういうところもあったのかな、なんて思ってしまう。






「だから高田さん。これからも兄のこと、よろしくお願いします。どうか離れないでやってください。絶対に裏切ったなんて思わないでください。兄が今一番安心できるのは高田さんの隣だと思うから。」





そう言って葵くんはまた頭を下げた。



自分の中であの日のことを完全に消化は出来ないけど幾分も心は軽くなった。






「うん.....ありがとう葵くん。こちらこそお兄さんに迷惑かけるかもだけど、よろしくね。」




そう言って俺もまた頭を下げた。





「あ、ありがとうございます！高田さん！」


「ふふっ、慧でいいよ？」