テキストサイズ

腹黒ドS王子の愛する人Another

第1章 慧×桃史の場合

突然自分の名前が出てきて少しだけびっくりしてしまう。




北浜が俺の話をしていたんだと思うだけで不謹慎だけど胸が高鳴った。





「すごい楽しそうに話すんです、高田さんのこと。昔から兄ちゃんは俺のために友達と遊ぶのも彼女を作ることも全部我慢して仕事ばっかりしてた。学生時代の楽しみは全部俺が奪っちゃったんです....だからもう大きくなった今は兄ちゃんには兄ちゃんの生活を大切にしてもらいたい。」



「.......うん。」





興奮からか葵くんの声は少し震えていた。
でも、何も話しかけることなくひたすらその言葉に耳を傾けた。





「高田さんのこと話してるときの兄ちゃんは建前とかそういうの全部なくなったみたいに安心して穏やかで、だから兄ちゃんが高田さんのこと信頼できないとか、嫌いとかそういうのは絶対ないですっ.....!」




ストーリーメニュー

TOPTOPへ