
腹黒ドS王子の愛する人Another
第3章 朔弥 × 元 の場合
俺の呼吸が少し落ち着くと、寺石は自分が便座に座りその上にまた向き合うように俺を乗せる。彼の腕に抱き寄せられた体は、体格の良い彼にすっぽりと収まりそのままゆらゆらと揺れた。
相手にすっぽりと収まった体は、今まで抱きしめる側だった俺には何だか新鮮で、照れ臭くて、安心した。まるで全てのものから守られているみたいで。
あぁ、彼氏に抱きしめられる女の子の気持ちってこんなんなのかな...?
俺も、寺石も言葉を発しない個室には2人の心臓の音だけが鳴って、トクトクと小気味良いリズムを刻む自分の心臓が心地よい。
寺石の行動の意味が、何もわからない。俺にこんな恥ずかしいことをさせる癖に、かわいいと言ってキスをする。
意地悪だったと思ったら優しくなったり。
