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腹黒ドS王子の愛する人Another

第3章 朔弥 × 元 の場合

「ほら、泣き止んでください。」



目元を拭っていた寺石の指が、俺の両頬を掴んで少し上に向ける。そして、そのままおでこ 鼻 目元 と軽いキスを落としていった。その様子はまるで少女たちが憧れる王子様のようだ。



「先輩、可愛いです...」




そう言って、次に捉えたのは俺の唇。



だけど、さっきみたいな乱暴なキスじゃない。ティーンみたいな、啄むような幼いキス。



まるで壊れ物のように俺を扱うその仕草に、胸がきゅんっと鳴った。





少しくっついては、すぐ離れるそんなキスを角度を変えて何度も何度も......




目の前の男は、俺の呼吸に合わせるようにゆっくりと唇を合わせて



何度もかわいい、そうつぶやいた。

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