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腹黒ドS王子の愛する人Another

第3章 朔弥 × 元 の場合

何がしたいんだよ、俺のこと馬鹿にしてるのか?



こんな情けない姿見て笑ってるのかよ。




怒りと羞恥でぐちゃぐちゃになった頭じゃ何も考えられなくて、ただただ後ろの後輩に対する文句ばかりが浮かぶ。





絶対、寺石は俺のこと嫌いだ。じゃなきゃこんなことするもんか。




「はぁ...」



ぐすぐすと泣き止まない俺に向かって吐かれたため息。思わず体がびくりと反応した。




なんだよ、俺は悪くないぞ。プライドずたずたにされたんだから、泣いたって仕方ないだろ。



また新しい涙が溢れ出し、喉の辺りが熱くなる。




「先輩。」



優しくかけられた甘い声。強張って、頑なに後ろを向かなかった俺の肩を寺石が掴むとそのままゆっくりと対面にされた。



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