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腹黒ドS王子の愛する人Another

第3章 朔弥 × 元 の場合

「て、らいしっ...」



てらいし、どこ...?

朦朧とした記憶の中で、奴の名前を呼んで姿を探す。





そんな俺を理解したように、空を切った俺の腕を後ろにいる寺石が柔らかく握った。





「はっ、ぁっ....」



「ゆっくり呼吸しろ。」



「んっ...」



ハクハクとヒクつく喉で一生懸命酸素を吸う。


最後の一滴まで、寺石に見つめながら出し切るとだんだん落ち着いた頭がクリアになり、自分の醜態を思い出す。



おれ、おれ.....





「先輩?」



急に黙り込んだ俺を不思議に思ったのだろう、比較的優しい声が後ろから聞こえるが俺はそれどころじゃなかった。





「........ヒグッ....ふぇっ.....」




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