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腹黒ドS王子の愛する人Another

第3章 朔弥 × 元 の場合

「もうはなせよー!」


非難の声にしては随分弱々しかったと思う。だからだろうか、寺石は手の力を一切緩めることはない。さらには顎を持っていた手はさらりと首筋をなぞり胸元まで下がる。




「でも先輩嬉しいでしょ?」


「なにいって...!!!」



「だって、男が好きなんだから。」







クスクスと笑い混じりに発せられた言葉に目の前が真っ暗になる。なんで.....





なんでこいつは笑ってるんだ?




男を好きなことが、そんなにおかしいか....?



そんなにダメなことなのか....?






羞恥と、信じていた部下に責め立てられるショックでにじむ視界に、妖しく光る寺石の目と歪んだ口元が映った。





「お、おれは、っ...おとこなんかすきじゃなっ....」



「ほんとに?そんな泣きそうな目で言われても説得力ないですよ。それにほら、これでもまだそんなこと言えますか先輩。」




胸元にあった手がさらにさがり、掴んだ先は俺の....



「いったっ...!!!」










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