
腹黒ドS王子の愛する人Another
第3章 朔弥 × 元 の場合
————————————...........
「むりむりむり、絶対無理....」
あの時、食堂に足を踏み入れようとした時より無理だ。
俺はさっきからずっと、寺石に呼び出された会議室の前で入らずにうろうろしている。
何かデジャヴ....
さっきの寺石を思い出して、また背筋に寒気が走る。夢じゃなかった。悪夢だった。
ずっと天使のようだと思っていた寺石が、あんな悪魔みたいな男だったなんて.....
どうやらあの日恐怖を覚えた黒い笑顔は、俺の勘違いではなかった。
つまり、
「先輩の恋愛対象男でしょ?」
あの発言も夢ではなかったということで......
