
虹色の精霊に導かれて…
第89章 泣かないで
M「何かこう10年とき思わなかったけどお」
S「そうだね」
O「そうそう、そうなんだよ」
M「15年になって思うことってあるね」
O「10年ときはねえ、そんなに思わなかった」
M「無くはなかったじゃん もちろん ハッピーな『楽しい気持ち』ってのがすごい強かった気がするけど」
O「そっちのほうが強かったね」
ずっと頭を触る大野。
M「15年ってなんだろうね」
S「何で『グッ』と、きて 何で涙してるのかもよくわかってないんだよ」
O「よくわかってない」
M「そうそう」
S「これは感謝なのか感動なのか、悔しさなのか、何なのか最早もうわかんないけど、ただただ涙が出てくるみたいな」
O「出てくる」
N「ふふ」(なくよ)
櫻井に合図をする二宮
S「もうだめだぁ」
O「もおうダメだね」
笑いながら涙が頬を流れていく大野。
M「何? 何かもう、毎日涙流さなきゃ済まないみたいな感じだよね」
少し引く松本。
O「毎日出んだよ、俺の涙は」
掌で涙を拭く大野
S「リハんときとかなかったの?」
O「きてんだよ、全部きてんだよ、俺。全部きてんの」
N「全部きてんすか? 今もきてんすか?」
O「もう今……」(声が震える)
A「ウヒャヒャヒャヒャッ!」
M「何なん? マジでえ(笑)」
N「今きてないじゃないすか、笑ってるじゃないすか」
O「笑ってるけどきてるから笑ってんだよ くぐ…」
N「良かったんすか? じゃあ15年、やってこれて」
O「良かった」
頭をコクンと下げる大野。
N「良かった」
O「ほんと良かったよ
いや、こんな日が来るとは思ってないもん。だって、15年前は…」
A「嬉しいってことでしょ?」
相葉の問いに頷いて答える大野。
A「そうだよね」
O「嬉しい…を通り越したもう、こんな恵まれてていいのかなっていう、感覚がすごくあるよね」
瞳から泣かれ落ちる涙。
N「そりゃあるよね」
A「あるね…」
