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虹色の精霊に導かれて…

第62章 カメラが回ってなくても

櫻井視点

スタッフの移動車に乗ったので、追っかけてくるファンやパパラッチ的な人は確認できない。


やり遂げた、安堵感と 顕著に出る疲労で車の中は、無言だった。

(おわった…)

窓ガラスに額をあてながら、ライブを行った場所のライトがぼんやり空を染めているのを眺めながら、一度ホテルに戻る。

(なんか 本当に 夢を見ていたみたい…)

{王子…私 ちょっと 離れるけど 大丈夫?}

《ああ 大丈夫だ… マネもフルメンバー参加だし…》

{そぉ じゃ 少し…}


車が止まった。

(ホテルの通用口だな…)

車の外に 本郷君が降り立つのを確認した。


(追跡は なかったみたいだね…はー 眠い…)
目を擦りながら手荷物を持って立ち上がる。



M「ほら、起きて、着いたよ」
 潤が腕を組んだまま下を向いている智くんを揺すっている。

O「あ、うん」
 目をこすりながら、シートから立ち上がる智くん。

 智くんの荷物を持とうとする潤。

「俺が持つから 連れて行って」
潤の肩を叩いて声を掛ける。

 潤が小さく頷いて「ほら ニノについて行って!」智くんの肩を押す。


O「押すなよ 狭いんだから…」
 ふらふらしながらニノの方を体を寄せる智くん。

N「さー おじいちゃん コッチですよぉ」
 両手をワザとらしく広げて受け止めるニノ。

O「おじいちゃん 言うなぁ…」
 ふにゃふにゃニノに抱き付く智くん。

(眠いんだね…
 ふふ 可愛いけど ちゃんと着替えてほしいなぁ…風邪ひいてほしくない…)

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