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虹色の精霊に導かれて…

第46章 二日目の朝 ホテルにて

櫻井視点

自分の部屋に戻って備え付けの冷蔵庫から缶ビールを取り出す。



(今日やった事を同じ事を明日 …もう、今日か…)

ビールをゴクゴクっと飲みながら、思い出すコンサートの風景。

(久しぶりに、俺が昨日の反省点を洗い出すか…)


テーブルの手帳を開いて、セトリを確認する。

(よし…)

目を閉じ、昨日の『映像』を引っ張る。

映像が安定したのを確認して、目を開ける。
俺の周りに精霊たちが集まって来た。


 天気もよくて、音響の調整もいい感じ…。


≪天気が良すぎなかったか?≫
 側に仕える精霊に声を掛ける

{虹の精霊の祝福を受けた人の子だからね 膨大な自然霊がお見えになっていたわ}


≪だから、和也が当てられたのか…≫

{最中に立葵の小倅が楯を張り巡らせたぞ}
(さすが、潤だな…)

{そうそう せっかく 王子達の周りを飛び回れる数少ない時を阻害されちゃった}

≪そういうな 日本に帰ったら 次のツアーで舞ってくれよ≫

{そう?今度のは”でちたる”とか言う音波だったわね?}

≪音波って…まぁ あなた方には、一瞬の輝きにような物でしょうね≫


{では、ショウよ この地での演舞の気になる所だが・・}

{この地の陽の精霊が強いのかのう?}

{そうね 昨日の日差しは 我々にも 鋭いモノだった}



{・・・・ ・・・・ ・・・}

精霊たちが人知を超えた指摘をツラツラ述べていく。


≪しかし…≫
口を挿もうと声を出すが。

{口を挿むでない!!}


≪あぁ はい…≫

(最初の頃は、俺が仕切らないと、話が進まなかったのになぁ)


精霊たちが思い思いに話をしている。

(この時間は、人の世界の時間と流れが違うから、いつまでだって聞いていられるが)


「さて」
人の声を出して、精霊に人に戻る事をアピールする。

{王子?}

≪大体の問題点は把握した これからも 俺の側に控えていてくれな≫


{かしこまりました}


空間がホテルの部屋に戻っていく。


(『和也抜きで回しておく』ってかっこいい事言ったけど…

 最近じゃ… 潤と和也が居ないと、詰めが固まらない 悔しいよぉなぁ…)


まだまだ冷たい缶ビールを飲み干して部屋をでる。


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