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虹色の精霊に導かれて…

第14章 一瞬の交差

相葉視点

「モモちぁゃん!もうそろそろおろして…」
後ろ側にいるモモちゃんに声をかける。

 鼻息だけで、拒否される。

(お願いだよ…恥ずかしいし…)


M「モモ…おろしてやれよ」
 潤ちゃんが声を掛けると、モモちゃんが着地できる所で俺を離す。

 トンッと靴が鳴って綺麗に着地した。


「へへ。(着地点誘導)ありがとう」
モモちゃんにお礼を言う。

 モモちゃんは何もない方に顔を向ける。

(あれ?照れちゃった?そういうところ、潤ちゃんにそっくりだね♡)

 笑顔の潤ちゃんが俺を見ていたから「服ちょっと、破れてない?」背中を向ける。

潤ちゃんが「ううん。大丈夫!」と声をかけてくれる。

「よかった…」(せっかくの聖服だもん大事にしないと…)


 向こうでキバタンとモモちゃんが話している。

(あれ?なんでキバタン知ってるの?)
あまりの自然な会話が成立している獣と鳥。



≪……ぅ…ぇ!≫
 普段聞こえない‘声’がカズの口から出る。

カズが見ている方を見ると、困ってる顔の大ちゃんと翔ちゃんがいた。

(何かあったの?)
潤ちゃんに聞こうと思っている体を反転させた。


O&S「イッターイ!」
 声を揃えて頭を押さえる大ちゃんと翔ちゃん。


N「おい!なにするんだよ!!」
 誰かに詰め寄るカズ。


「え?えぇぇ?」(なんでカズが二人いるの?)
その誰かがカズにそっくりだった。

(そっくりすぎる!!
 違いは…ちょっと年下?弟…)


宮『カズナリ!
  主が〝三人で語らう場〟を仕切らないからこうなる!』
 扇子を振り回して声を荒げる和服?の少年。

N「はあぁー(怒)人型理解者が勝手に動いてる事まで、俺が把握できるかよ!」
 カズも感情的な大声をあげる。

(あんなに感情的なカズ…最近見た事ない)

「カズ。ああ、怒んないの!」
仲裁に入るけど、二人の中にさえも入れてもらえない。

M「モモ。ニノをココへ!」
 モモちゃんに指示を出す潤ちゃん。


{はい}
 モモちゃんがカズをフワッと尾で包み潤ちゃんの方に連れていく。


「なんか、扱いが違うくない?」
不満一杯で駆け寄ってきた。


M「モモの心の持ちようだからな…」
 ははっと潤ちゃんが笑った。

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