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二宮視点

Ａ「モモちゃぁん！もうそろそろおろして…」
　マーくんが、モモにお願いしている。

（お願いするなら、潤くんにだろう？）

Ｍ「モモ…おろしてやれよ」
　潤くんがモモに声を掛けると、モモは咥えていた相葉くんの服を離す。


　マーくんがトンッと靴を鳴らして着地した。


Ａ「へへ。ありがとう」
　マーくんがモモにお礼を言う。

（ふっ…お礼言ってるよ…）

マーくんの天然発言をくくくっと笑っていると「…てるの？」翔さんの不安そうな声が聞こえてきた。

（どうしました？）
声の方に意識を向けると困惑しているリーダーが居た。

（智さんが困っている感じ…？
　痴話喧嘩は、他所でしてください…）

Ｓ「教えて…」
　言葉に困った時のリーダーとそんなリーダーに寄り添う翔さん。

少し呆れたけど、二人の越しに見えた人型理解者を確認して、気持ちが変わった。

≪理解者!!　状況説明してくれ!≫
人型理解者に‘声’をかける。

　人型理解者は、俺の‘声’に反応しない。

≪おい！シカトするなよ！！≫
今度は大きな‘声’を向ける。

　人型理解者は、扇子を開いたり、閉じたりして、嵐の上二人を見ている。


（シカトじゃないな…‘声’が聞こえてないのか？）


宮『いつまで…見つめ会うつもりか！』
　畳んだ扇子で、パンパンと二人の頭を叩く人型理解者。


Ｏ＆Ｓ「イッターイ！」
　声を揃えて頭を押さえる智さんと翔さん。


「おい！なにするんだよ！！」
人型理解者に詰め寄る。

　人型理解者は、俺が詰め寄って行って、初めて俺を認識した。


宮『カズナリ！
　　主が〝三人で語らう場〟を仕切らないからこうなる！』
　人型理解者が扇子で二人を示しながら声を荒げる。

「はあぁー(怒)人型理解者が勝手に動いてる事まで、俺が把握できるかよ！」
俺も感情的になって声が大きくなる。

掴み合いのケンカになりそうになったころ「怒んないの！」マーくんの声が聞こえた。


マーくんの言葉に反応する前に、墨紫の毛が体を包む。

≪もも！離せ≫

ﾓﾓ｛ボスの所へ連れていく｝

≪俺の言う事も聞けよ！≫
抵抗もむなしく、潤くんの側に運ばれる俺。

（くっそ…モモは潤くんと翔さんの声にしか従わない獣だった…）